朱明徳 -帰れない故郷、扉の向こう側
このたび、企画展「朱明徳 -帰れない故郷、扉の向こう側」を開催いたします。
朱明徳(Joo Myung-Duck/주명덕)は韓国のドキュメンタリー写真の第一人者である写真家です。1940年に黄海道安岳郡(現北朝鮮)に生まれ、慶熙大学校史学科卒業後、23歳の頃からアマチュアカメラマンとして写真を撮りはじめました。朱は、1966年に朝鮮戦争中に滞在した米軍兵士との混血孤児などが生活する孤児院を撮影した作品の展覧会「ホルト孤児院展」にて、それまで芸術写真が席巻していた韓国写真界にドキュメンタリーの視点を持ち込み、注目を集めました。
本展では当館が所蔵する朱明徳作品-近代化の中で取り残されてゆく地方の寺院や古民家などの風景や、韓国では人間界と仏の世界を隔てる門と考えられている意匠扉を繊細に撮影した作品シリーズ-を紹介します。
日本と韓国は西洋を範とした近代化の中で、劇的な時代の変化を経験してきました。しかし、新たな展開を模索する現代は、単に西洋の模倣ではない独自のアイデンティティを問い直すことが必要とされています。韓国の風景と文化様式を捉えた朱明徳の作品には、私たち日本人にも故郷を思わせる懐かしさが息づいています。本展を通して東アジアの文化について考える機会となれば幸いです。
会期 | 2019年4月13日(土) 〜 6月23日(日) |
---|---|
主催 | 高浜市やきものの里かわら美術館 |
後援 | 駐日韓国大使館 韓国文化院 |
観覧時間 | 午前10時から午後5時まで(観覧券の販売は午後4時30分まで) |
観覧料 | 高校生以上200円(160円)、中学生以下無料 *( )内は20名以上の団体料金、または高浜市内居住者 * 75歳以上の方、各種障がい者手帳をお持ちの方ほか、割引あり |
休館日 | 月曜日、火曜日、5月8日(水) {*ただし、4月29日(月・祝)、4月30日(火・休)、5月6日(月・休)開館} |