植物学者伊藤圭介と幻の瓦コレクション
伊藤圭介(1803~1901)は、名古屋の医師の家に生まれ、明治維新後は東京大学等に勤務するかたわら、小石川植物園等での植物研究で実績をあげて日本最初の理学博士となった人物として知られています。一方、圭介は植物学のほか、地学、鉱物学、古物学など広範な知識を有し、博物学者としての側面をもっていました。
江戸時代末期以降、各所で行われた展覧会に圭介が家蔵の瓦を多数出品したことが記録に残されており、彼が当時から有数の古瓦のコレクターとして知られていたことがわかります。その所蔵品は200点以上に及んだといわれています。
圭介の瓦コレクションは、彼の死後、その一部が孫の篤太郎によって公開されたのを最後に、所在不明となっていました。ところが2011年、その一部が圭介のご子孫のお宅に残されていたことがわかり、その後ご厚意によりかわら美術館に寄贈されることとなりました。瓦たちにとっては110年ぶりの愛知への里帰りとなったわけです。
本展覧会では、この伊藤圭介コレクション総数140点を、一挙公開いたします。圭介のコレクションは古代から近世まで幅広い時代にわたっています。そこには奈良・京都の有名寺院の瓦から、尾張国分寺や熱田神宮など、地元愛知にゆかりの瓦までさまざまなものがあり、その好奇心の旺盛さをうかがわせます。
展示では肖像画や遺品、絵画、著作など関連資料も紹介します。愛知の偉人伊藤圭介の愛した瓦たちを、この機会にぜひご覧ください。
会期 | 2015年5月30日(土) 〜 7月5日(日) |
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主催 | 高浜市やきものの里かわら美術館 |
観覧時間 | 午前9時から午後5時まで(観覧券の販売は午後4時30分まで) |
観覧料 | 高校生以上200円(160円)、中学生以下無料 ※()内は20名以上の団体料金、および高浜市内在住者 |
休館日 | 月曜日 |