コレクション展 誰もいない世界 無人の風景画、写真、版画

誰もいない世界 | 企画展
誰もいない世界 | 企画展

ラルフ・スタイナー「木造の家並み」1930年代頃
関野凖一郎「東海道五十三次 島田」1974年

 風景絵画は元来、部屋から外を眺める窓の役割を担ってきました。人は現実には部屋から見ることのできない風景の絵画を壁に飾り、額縁を窓に見立てることで美しい景色を楽しんできました。その意味において絵画は、我々が存在する世界とは別の、もうひとつの世界を覗く窓であるのです。
 もし、誰もいない世界に迷い込んだら、あなたはどのように思うでしょうか。通りにも、交差点にも、路地裏にも誰もいない。高いところから見下ろしても誰もいない街。忘れられた住宅展示場のようにまるで時間のとまった無人の街。軍艦島のように末期的な誰もいない世界。ある人は安堵し、ひとりでのんびりと過ごすかもしれません、ある人は寂寞を感じ誰かを探すかもしれません。
 本展は、人物が登場しない「誰もいない風景」をテーマに、絵画、版画、写真を展示します。そこには美しい自然があり、街があり、文化があります。場合によっては人々の生活の残滓があり、遠くで彼らの息遣いが聞こえるかもしれません。しかし、その「窓」からは誰も見えないのです。
 こうした無人の風景の作品を「誰もいない」ということを念頭において鑑賞することで、街や文化、世界や人間の存在について新しい視点で考え、想いを巡らせながら楽しんでいただけましたら幸いです。

会期 2012年9月15日(土) 〜 10月28日(日)
主催 高浜市やきものの里かわら美術館
観覧時間 午前9時から午後5時まで(観覧券の販売は午後4時30分まで)
観覧料 高校生以上200円(160円)、中学生以下無料
※( )内は高浜市内居住者および20名以上の団体料金
※ 75歳以上の方、各種障がい者手帳をお持ちの方ほか、割引あり
休館日 月曜日(9月17日、10月8日は開館)
9月18日(火)、10月9日(火)